次に訪れたのは
「道の駅うたしないチロルの湯」から車でおよそ5分くらいの場所にある、郷土資料館
「郷土館ゆめつむぎ」を見学する。
「郷土館ゆめつむぎ」は、かつて炭鉱の町として栄えた歌志内市の歴史や文化を伝える施設なのだ。

現在の歌志内市は、全国で最も人口が少ない市で、2025年4月末時点での人口は2,648人。高齢化が進み、65歳以上の方が約54%を占めているという。しかし、かつて石炭産業が盛んだった1948年には、約46,000人もの人々が暮らし、街は賑わいを見せていたのだ。

館内には、そんなかつての歌志内の姿を物語る展示が数多く並んでいる。

炭鉱で実際に使われていた掘削用の工具や安全帽、ランプなどの道具類がずらりと並び、当時の過酷な労働環境をリアルに伝えている。

炭鉱労働者たちの日常や作業の様子も紹介されていて、この前、テレビでやっていた
「端島(軍艦島)のドラマ」と重なるものがあって興味津々。

昭和の炭鉱街の展示では、当時の家庭用品や家電製品などが並び、人々の暮らしぶりが伝わってくる。黒電話、足踏みミシンなど、今では見かけることの少なくなった品々が所狭しと並び、なぜか新鮮な驚きを与えてくれる空間となっている。

しかも、綺麗に保管されているのだ。

こちらは、かつて歌志内の中心を走っていた
「歌志内線」の展示コーナー。

汽車の座席に実際に座って、かつての車窓映像を見ることもできる。走行音とともに流れる映像は、どこか郷愁を誘う。

歌志内線は、1988年(昭和63年)4月25日に全線が廃止。岩見沢駅から三井芦別鉱山や歌志内市の炭鉱地帯への石炭輸送と通勤・通学客の輸送を目的として開業されたが、石炭産業の衰退と人口減少により利用者が激減し、廃線となったのだ。

当時の駅の備品や案内板、車内の座席などが丁寧に保存されている。とても見ごたえがある。
「郷土館ゆめつむぎ」、炭鉱街の歴史がよくわかる、哀愁漂う資料館なのだ。

■施設の情報
郷土館ゆめつむぎ
所在地:北海道歌志内市本町1027番地1
開館時間:10:00~17:00
休館日:毎週月曜日(祝日の場合は翌日以降の祝日と重ならない日)、年末年始(12月30日~1月4日)
入館料:無料
駐車場:無料(普通車20台分)